VF750F
「VF750F」とは?
日本では、当時最高出力である72馬力(輸出仕様は84馬力)を発生する水冷90度V4エンジンは、日本メーカーでは初めて200km/h以上でもウォブルの発生しない角形断面のダブルクレードルフレームに搭載された。
強大なトルクを発生する4ストロークエンジンだったため、2ストロークと違い、急激なシフトダウン時に発生するエンジンブレーキも並行して増大した。
これを抑制する目的で、NR500で開発されたバックトルクリミッターを、二輪市販車として世界初の装備、エンジンブレーキ作動時に発生するリアのホッピングに対応した。
フロントには、アンチノーズダイブを装備したテレスコピックに、VT250Fに採用済だった16インチサイズを、大排気量車として初採用、リアはプロリンクに18インチサイズが装備された。
これもV型エンジンを横に搭載するため、必然的に伸びてしまうホイールベース(長くなればなるほど、直進性は安定するが旋回性が犠牲になる)と旋回性の両立を試行錯誤したNR500からのフィードバックであった。
スタンダードをコンセプトとするセイバーとクルージングをコンセプトとするマグナとは一線を隔て(前述2台はキャストホイールとシャフトドライブ)軽量オールアルミ製のブーメラン・コムスター(北米ではキャストホイール)とチェ−ンドライブを採用。
新世代の車両としてのイメージ統一のために、北米での愛称も、これまでホンダがスポーツ車両に使用していたSuperSportから、Interceptor(インターセプター/迎撃車)という戦闘的な名称へと変更され、排気量750ccのキュービック・インチ(cu.in)換算であるV45-Interceptorと呼称された。
アメリカAMAレースにて、ホンダワークス所属のフレディ・スペンサーが、それまで使用していたCB750F改から、HRCが仕上げたVF750Fに乗り換え快勝を上げ続けたことから、北米での同車両の人気は決定的なものになった。
好調なセールスを記録する北米・欧州市場と比較し、日本国内での販売はとても好調とは言えなく、奪ったはずの日本のフラッグシップの座を、CB750FCに一時だが事実上譲っている。
これはVF400Fにおける、CBR400Fの併売とCBX400Fの販売と同じ現象で、国内市場がV4という新しさになじむことができなかった結果と判断可能。
またこの時期ホンダはヤマハと、HY戦争なる愚行を行っていたために、販売台数を稼ぐ目的から、フラッグシップを名乗りながら、売れ行きのかんばしくない車両として、販売店では数十万単位での値引きが行われた。
中古車市場で値が下がらないホンダCB750Fと比較され、一般消費者からは安いフラッグシップと見なされたのも災いし、売れ行きはさらに落ち込んだ。
また水冷というメカが災いし、わずかな速度ででも左側に転倒すると、ラジエターパイプが必ず破損してしまい、実走で修理店に向かうこともできなかった。こうして人気を回復できないまま、1985年に生産終了。次世代V4であるVFRにバトンを渡す。
初期ロットには、カムが削れてしまうものが見受けられ、対策部品が出ていたが、現在は廃盤となっている模様。
「VF750F」の動画
「VF750F」のスペック
エンジン種類 | 水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒 | 総排気量 | 748cc |
---|---|---|---|
最高出力 | 72ps(53kw)/9500rpm | 最大トルク | 6.1kg・m(59.8N・m)/7500rpm |
車両重量 | 242kg | 全長 | 2305mm |
全幅 | 1185mm | 全高 | 830mm |
ブレーキ形式(前) | ダブルディスク | ブレーキ形式(後) | ドラム式 |
始動方式 | セルフ式 | 燃料供給装置 | キャブレター |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | 燃料タンク容量 | 22L |
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